献血の看護師の職場は、献血ルームと献血車があります。
献血ルームの場合は、勤務時間は一定しているので、家庭との両立を望んでいる人には最適な仕事といえます。献血車の勤務は、出向く場所によって所要時間は違うことで勤務時間は不規則です。どちらにしても、雇用先は血液センターになるので、献血ルームになるか献血車になるかは決まっていません。土日の勤務は交代制が多いようです。夜勤はないので、その点は病院と違います。
業務の点では、献血ルームの場合は、全血献血だけでなく成分献血が主流であり機械の操作が何種類かあるので、その知識、技術の習得には時間が必要です。病院の業務では、透析室とほぼ同じようです。献血の針は太い方なので慣れるまでに時間が必要なケースがあります。技術によっては、痛くないようにできる筈のものです。
その他、透析の回路交換とプライミングのような作業もありますが、未経験でも直ぐにできるようになる程度のことです。ほとんどの仕事は、同じことの繰り返しが多いので、慣れるには困らないですみます。
業務の内容は、ドナーが来所されたら、受付、問診、検診をしていただき、医師が適否を判定します。採血が「適」とされたら、採血キットを準備して、穿刺します。採血の間は、ドナーの状態を観察し、ドナーが安全に採血を終了できるよう看護します。
採血が終了したら針を抜き、休憩・水分摂取を促して退所していただくのが行程です。安全に採血できるか、副作用を起こさないようにするためにはどうしたら良いか、血小板を必要量取れているか、などがあり、奥深い仕事だと感じています。その後で、報告書類の作成業務が必ずあります。
研修、教育訓練制度はあり、業務に関しても細かいところまで手順書が作られているので、採血業務に関しては一ヶ月でひとり立ちできるくらいです。昨今は検診を行なうナースの責任が重大になっているので、検診ナースの教育訓練は時間をかけて行なわれています。
ドナーの健康状態を観察できる力、その場では何を最優先すべきかを瞬時に見極める力、救急対応がとっさに出来るか、などが求められます。
病院と違って、本来は健康な方を対象に行なう仕事なので、健康被害の点を留意します。
多くの方の意見では、最初は病棟勤務を経験して、その後で、献血センターに復職し、献血ルームや献血車の仕事に就くことがより良い方向のようです。